2018年04月09日

純粋性を腐敗させる西洋の合理性

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 ゴーギャンを魅了した力強く原始的な純粋性。ゴーギャンの没地となったヒヴァ・オア島アトォオナで制作された本作は、同島の現地民や情景を描いた作品であるが、そこへ幻視したブルターニュ時代の画家ヤコブ・メイエル・デ・ハーンが描き込まれてことが最大の注目点である。

 純粋性を腐敗させる西洋の合理性。赤毛の女は、タヒチの現地民らしく豊満で原始に溢れた裸体が真横からの視点により強調されており、黒髪の人物の背後には獣の足をもった画家ヤコブ・メイエル・デ・ハーンは緑色の瞳を怪しく輝かせながら思惑深げに座している。

 現地に咲く植物の(毒々しいまでの)濃密な色彩表現。平面化が著しい背景の昼か夜かも分からない重々しい雰囲気の描写や、ヒヴァ・オア島に咲く植物の濃密な色彩表現は本作に示される謎めいた象徴性をより強調する効果を生み出している。
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2018年03月09日

光輪のある自画像

近代絵画の大画家ポール・ゴーギャンを代表する自画像作品のひとつ『光輪のある自画像(戯画的自画像)』。

本作は画家が一時期滞在していたル・プールデュにあったマリ・アンヌ食堂の食器棚の装飾画(装飾パネル)として制作された作品である。

ゴーギャンと共にル・プールデュへ滞在していたオランダ人画家ヤコブ・メイエル・デ・ハーンの肖像画との対画として制作された作品でもある本作に描かれるゴーギャンの頭上には光輪(円光)が描かれており、約2年程前に手がけた主イエス(キリスト)に自身の姿を重ねた一連の自画像作品(参照:黄色いキリストのある自画像、オリーブ山のキリスト)同様、己の姿を聖なる存在(又はポン=タヴェン派やナビ派など若い画家らの指導者的な立場にある特別な存在)として表現している。対画として制作された『ヤコブ・メイエル・デ・ハーンの肖像』には17世紀を代表する英国の詩人ジョン・ミルトンを代表する傑作叙事詩≪失楽園≫が描き込まれており、本作の中へ象徴的に配された、一方は未熟を思わせる緑色の、もう片一方は成熟を思わせる赤色に実るふたつの林檎(禁断の果実)や、舌を出す蛇の姿と関連している。
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2018年02月07日

フォトグラファーがインフルエンサーを見出している?

 非公式組合のリーダーであるNabile QuenumはAFPの取材に対し、この抗議は「誰かを辱めるためではない。共通の問題だ。ただ敬意を示してほしいだけだ」と話した。「モデルたちはフォトグラファーのおかげで有名になる。我々がクールだと感じる人を撮るからだ。我々が誰かを撮影するということは、その人がクールだと言っているのと同じこと。そして人々はそういった人からインスピレーションを得ている」

「ブランドは(我々の作品で)どの人が良いとされているのか、誰に市場価値があるのか、どういった人が彼らと顧客をつなげるために投資する価値があるのかを知るのだ。なぜか(インフルエンサーたちは)、我々が見出しているのだと忘れてしまっています」とQuenumは明かす。

 以前はブランドもインフルエンサーたちも「著作権保護された写真」に敬意を払っていたのだと、インフルエンサーたちを撮り続けて8年目のQuenumは言う。しかし、近年増えてきた「少数派」はそうではなかった。フォトグラファーたちに使用料を払わずに営利目的で写真を使う者が増えてきたのだ。

 パリコレ会期中の9月29日に行われた「イッセイミヤケ」のショー会場の外で日本人フォトグラファーのKojiはまん延した著作権侵害の影響で作品をインスタグラムに投稿するのを辞めたと言う。「他人が私の作品を盗み使い、私の名前を掲載してくれないのに、なぜ更新しなければいけないのか。もううんざりだ」と付け足した。
posted by ft5hu7s1 at 10:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする