2017年08月31日

ここでもルノワールの色彩への意識の高さが示されている

また本作ではルノワールの対象静物そのものが発する色彩への取り組みや、静物の配置による画面の装飾性の追及も特に注目すべき点のひとつである。
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画面内に描かれるパプリカ(甘味唐辛子)や柘榴、玉葱などの暖色と、茄子や莢豌豆、陶器皿などの寒色の色彩的対比はこれまでの各作品にも度々登場しているが、対象の質感、例えば瑞々しい茄子や熟したパプリカの艶々とした滑らかな質感や、檸檬のザラザラとした質感は写実的(デッサン的)な描写手法ではなく多彩な色彩によって表現されている。

またこれらの色彩は陶器皿やテーブルクロスの白色と見事な対比を示しており、観る者へ生気に溢れたある種の躍動感を感じさせる。さらに背景の曖昧な色彩感覚は静物の強烈な固有色と白色の架け橋としての効果も発揮しており、ここでもルノワールの色彩への意識の高さが示されている。
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2017年08月21日

アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)

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 印象派の偉大なる画家ピエール=オーギュスト・ルノワールの画業の初期において最も重要な作品のひとつ『アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)』。

 制作年1872年のサロンに出品されるも落選となった本作はロマン主義の巨匠ウジェーヌ・ドラクロワの傑作『アルジェの女たち』に大きく影響を受けたルノワールが、同作品から着想を得て同画題で制作した作品である。

 この頃のルノワールはドラクロワに強く傾倒しており、本作を手がける2年程前にもルノワールはオリエンタリズム(東方趣味・東方的構造)的な作品として『オダリスク(アルジェの女)』を制作しているが、本作では『アルジェの女たち』から受けた霊感とその影響をより明確(如実)に示している。
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2017年08月10日

「フェンディ」、ラガーフェルドの三度の挨拶

 5日間にわたるパリ オートクチュールファッションウィーク最後の大きなショーとして、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)の「フェンディ(Fendi)」は、エキセントリックでありながら本当に美しいコレクションを披露してくれた。

 地中海の森を思わせるセットには神話的な雰囲気が漂う。キャラメルのアストラカンコートはクラインブルーのフォックスファーで縁取り、ビターオレンジのカクテルドレスにはアストラカンの身頃にフォックスファーのフレアースカートが。特に、ホワイトのロングファーコートにレッドポピーをあしらったモデルや、毛足が短いミンクコートとケープに水彩画のような加工を施したルック、そしてレースのヴィクトリアンブラウスを合わせたカラムのニットファーコートも素晴らしかった。カールはまさに、ファーを新たなレベルにまで引き上げてみせたと言える。

 また、足元にはレザーの花弁をあしらったシューズを合わせたり、そのものが花束であるかのようなバッグなど、ロマンティックなアクセサリーもスタイリング。

 そして何よりフィナーレで印象的だったのは、カールが三度姿を現してお辞儀をしてみせたことだ。先日「シャネル」のショーの後パリ市名誉勲章を受章しただけに、非常に感動的な光景だった。
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