2017年08月10日

「フェンディ」、ラガーフェルドの三度の挨拶

 5日間にわたるパリ オートクチュールファッションウィーク最後の大きなショーとして、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)の「フェンディ(Fendi)」は、エキセントリックでありながら本当に美しいコレクションを披露してくれた。

 地中海の森を思わせるセットには神話的な雰囲気が漂う。キャラメルのアストラカンコートはクラインブルーのフォックスファーで縁取り、ビターオレンジのカクテルドレスにはアストラカンの身頃にフォックスファーのフレアースカートが。特に、ホワイトのロングファーコートにレッドポピーをあしらったモデルや、毛足が短いミンクコートとケープに水彩画のような加工を施したルック、そしてレースのヴィクトリアンブラウスを合わせたカラムのニットファーコートも素晴らしかった。カールはまさに、ファーを新たなレベルにまで引き上げてみせたと言える。

 また、足元にはレザーの花弁をあしらったシューズを合わせたり、そのものが花束であるかのようなバッグなど、ロマンティックなアクセサリーもスタイリング。

 そして何よりフィナーレで印象的だったのは、カールが三度姿を現してお辞儀をしてみせたことだ。先日「シャネル」のショーの後パリ市名誉勲章を受章しただけに、非常に感動的な光景だった。
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2017年07月10日

本作において斬新かつ効果的に舞台上の踊り子を引き立たせている

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 舞台上で軽やかに舞う踊り子。エトワール、または舞台の踊り子とも呼ばれる本作では、観者が踊り子を上から見下ろすという非常に大胆な構図が用いられているが、これは日本の浮世絵の奇抜な構図構成に影響を受けた為である。

 人工光に照らされる踊り子の衣装。(舞台に設置される)人工的な光に下半身から上半身に向かって照らされる踊り子の表現は、秀逸の出来栄えを示しており、画家が得意とし、しばしば自身の作品で取り上げ表現した人工光の描写は、本作において斬新かつ効果的に舞台上の踊り子を引き立たせている。

 踊り子らのパトロン(夜会服の男)と、舞台袖で出番を待つ脇役の踊り子。このように舞台上で繰り広げられる華やかな世界とは異なる、厳しいバレエの現実世界も、ドガは容赦なく画面の中に描き出している。
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2017年06月10日

競馬場の馬車(プロヴァンスの競馬場)

 印象派の巨匠エドガー・ドガの代表作『競馬場の馬車(プロヴァンスの競馬場)』。本作は画家が1860年代から70年代にかけて盛んに取り組んだ画題のひとつである≪競馬場≫を描いた作品の一例である。当時のフランスにおいて競馬は、19世紀の始め頃に英国からもたらされた娯楽的競技であり、上流階級の人々の間で流行していた。

 貴族階級出身であるドガも競馬に興味を示していたが、その対象は競技の興奮的な展開や迫力にあったというよりも、競技前の独特な緊張感や騎手や競走馬の動きなどに向けられていた。本作ではドガの幼い頃からの友人であるポール・ヴァルパンソンとその妻や子供らをモデルに、アルジャンタンの競馬場(ヴァルパンソン一家がその近郊に住んでおり、画家は一家を訪問した時に本作を制作した)でおこなわれるレース競技や四輪馬車に乗る人々などが描かれているが、特筆すべきは意表をついたような奇抜的で大胆な構図にある。
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